- 2021/05/07
- Webマーケティング
Web戦略の成功事例「脱テレビCM」で見事に増収増益を果たした「しまむら」
衣料品チェーン大手の「しまむら」が、Web広告に注力し増収増益を果たしたニュース記事を紹介します。
しまむら「脱テレビCM」でも業績好調 デジタル広告へシフト「低コストで売上効果も十分」JCASTニュース
しまむらは2021年4月5日に2021年2月期連結決算を発表、そして4期ぶりの増収増益を果たしたことが書かれています。
記事には巣ごもり需要や広告戦略の見直しが大きな要因となっていると記されています。
新型コロナウイルスの影響で多くの企業が売上の低迷に頭を抱える中、見事に増収増益を果たした「しまむら」がおこなった施策とは一体どの様なものなのでしょうか?
「しまむら」がおこなった増収増益の施策
しまむらの売上高はこれまで3期連続で減収減益だったところから好転し、前期比4.0%増の5426億円、最終利益が前期比99.3%増の261億円でした。
新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり需要」の高まりによって部屋着などの家庭向け商品が好調だったことや、EC事業である「しまコレ」「しまむらオンラインストア」が見込み通りの売上であったことも要因となっています。
そして今回のニュース記事で取り上げられている、デジタル広告や動画広告といったWeb広告に注力したことも今回の増収増益の大きな要因となりました。
マス広告、テレビや新聞広告の様に不特定多数にアプローチをかけるのと違って、個人にアプローチをかけられるという特徴を持つデジタル広告。
「しまむら」はこの個人へのアプローチという部分に焦点を当てたのです。
また、客足増加のために年齢や性別、商品セグメントごとに広告を配信する手法も取り入れることでデジタル広告を効率的に拡大し、大成功を納めています。
インターネット広告には広告の効果を測定できるという利点もあるため、反応の良い広告を何度も繰り返して測定することで、「しまむら」は最大の費用対効果を実証しました。
セグメントとは集団やまとまりを区切った区分のことであり、今回の話題に上がっている商品セグメントごとの広告配信とは、つまり商品の種類を細かく分けて広告を発信したということになります。
アパレルチェーン大手にありがちな「たくさんの服を取り揃えています!」という宣伝ではなく、例えば
「秋に大活躍するメンズジャケット」
「20代女子におすすめの大人コーデなワンピース」
といった様な、商品×性別×年代でターゲットを絞り込み宣伝を行うことで、宣伝効果を高めたのです。
そして「しまむら」はWeb広告へ注力するにあたり従来の主要媒体であった新聞折込チラシの出稿量を減らし、さらにはテレビCMを見送る等して広告宣伝費を2割強削減しています。
脱テレビCMによる広告費削減効果は非常に大きく、「しまむら」の企画室は「コストが低く効果も十分認められるWeb広告を重点的に運用していく」と記事内のインタビューでも応えています。
今後の経営計画として以下の様なコメントも記事に残しています。
今後は従来のマス広告も検討しつつ、デジタル広告に軸足を移していく考えだ。2021~23年度の中期経営計画は「デジタル広告の拡大(動画配信の拡大、セグメント別の対応)」「オンラインサイトと実店舗でお客様へのレコメンドシステムを導入」「モバイルデジやスマートレジの活用で店舗業務を効率化」など、いわゆる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を強く意識した内容になっている。
4期ぶりの増収増益を果たした大きな要因がインターネット広告などのデジタル広告でした。このコメントで「しまむら」がデジタル広告を中心にしていく意向がわかります。
しまむらのWeb戦略について
今回の増収増益を導いた大きな要因は、マス広告からデジタル広告に注力を変えたことにあるでしょう。
スマートフォンが普及する以前はマス広告の宣伝効果は大きく、それ故に宣伝費用を莫大につぎ込む企業は非常に多かったです。
しかしスマートフォンが一般的に普及し、インターネットや動画サイト、SNSなどで簡単に、しかも自分の好きな情報が探せる様になった近代では、新聞やテレビなどのマス広告の効果は右肩下がりになりました。
特にしまむらは10代~40代後半程度の顧客が多く、インターネットを頻繁に利用する層です。
自分たちの顧客層がどこであるかをしっかりと見極め、デジタル広告の運用にリソースを割いたのは最善の手であったと言えるでしょう。
そして広告を掲載する際もマス広告の様な不特定多数へのアピールではなく、商品セグメントごとに細かく分けた広告をしっかりと狙ったターゲットに届けることが出来たのは、素晴らしいの一言に尽きます。
今後はお客様へのレコメンドシステムの導入も考えているということです。
レコメンドシステムとは、お客様の閲覧・購入した商品データを元に、おすすめの商品を紹介するシステムのことです。
大手ECサイトで「こちらの商品もおすすめです」「この商品を購入した方はこちらも購入しています」といった案内を見たことがあると思います。
あのシステムがしまむらでも導入されることになれば、消費者は莫大な品数がある中からおすすめのものや自分の好みにあったものを優先的に見られる様になり、追加で購入したりより質の良い方を選んだりすることが出来る様になります。
「しまむら」側は顧客満足度の向上や単価のアップ、さらにはレコメンドシステムから得た情報からさらにマーケティングに繋がるため、より今後のデジタル戦略に拍車が掛かるでしょう。
今回の件についてネットの反応
ネットの反応を紹介します。
テレビや新聞は、SNS導線が弱いため拡散力は低い。一方でリーチが広いことが利点だった。しかしそのコストに見合わなくなってきている。
若者がターゲットでネット広告の方が良いのもあるけど、今までのCMで「しまむら」の知名度向上させれたのも大きいでしょう。
これからはネット広告の時代、特に20代以下はそうなると思う。引用元:しまむら「脱テレビCM」でも業績好調 デジタル広告へシフト「低コストで売上効果も十分」(J-CASTニュース)のコメント一覧 – Yahoo!ニュース
脱テレビCMという名目には賛成派の意見が多い様です。
特に多かったのは「テレビCMにつぎ込んでいた宣伝費を商品に還元してくれるのではないか」という意見でした。
確かに億単位での経費削減が出来たのであれば、商品の価格割引や新しい商品開発に削減できた分の経費を注いで欲しいという消費者の気持ちも分かります。
一方で
CMが全く意味がないとは言えない、CMによって色々違うし一概にはね。しまむら、に関してはCMには向かないんだと思う、しまむらはCMみて行きたいじゃなくてチラシみて行きたいってなるから自分は。
引用元:しまむら「脱テレビCM」でも業績好調 デジタル広告へシフト「低コストで売上効果も十分」(J-CASTニュース)のコメント一覧 – Yahoo!ニュース
といった様なマス広告推しの声も見られました。
地域によってはデジタル広告よりもマス広告が好まれる場合もある様です。
まとめ
移り変わっていく現代社会に合った宣伝方法として、しまむらだけでなく多くの企業がデジタル広告の運用を導入し成果を得ています。
広告の出稿自体は個人でも出来る程簡単にもなりましたが、成果の出る運用を臨むならその道のプロに依頼するのが一番です。
マーケティング・分析を行い、自社の商品やサービスを効率良く宣伝することで費用対効果を最大限高めることができます。
自社に必要なインターネット広告、デジタル広告の宣伝方法は何なのか、最適な手法をしっかりと考えることが大切です。
以上、Webマーケティング戦略の成功事例の紹介でした。
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